口周りにできたニキビの誤った治し方について記載したいと思います。
その誤った治し方とは?
ピーリングです。
ピーリングとは酸の力を用いて皮膚表面の角質同士をつないでる角質細胞間脂質の接合力を弱くし、余分な角質を除去するというものです。
肌について少し詳しい方であれば「えっ!? ピーリングって美肌効果があるのでは?」と思っている人もいるのではないでしょうか? 実際にピーリングを推奨しているサイトもたくさんあります。しかし、このピーリングがニキビで悩んでいる人達を更に悩ませる原因となるのです。
それでは、なぜ、ニキビの治し方としてピーリングを推奨しているサイトが多いのか?
ピーリングが推奨されている理由
ピーリングを推奨しているサイトを見ると、次のようなうたい文句がよく書かれています。
- ターンオーバーが改善される
- 硬く古い角質が取れ、肌が柔らかくなる
- 古い角質が取れ、皮脂詰まりを防止できる
- メラニン色素を早く排出できる
このようなことが書かれていると、誰もがピーリングしたくなりますよね。そして、ここに書かれていることはあながち間違いでもないのです。しかし、これはピーリングを一面的にしか見ておらず、このうたい文句をそのまま信用してピーリングを行うと、多くの人がトラブルに巻き込まれてしまいます。
それでは、上のうたい文句の裏の面も一つずつ解説していきたいと思います。これを読んで頂ければ、私がピーリングを推奨していない理由が分かってもらえると思います。
ターンオーバーが改善される
ピーリングによりなぜ、ターンオーバーが改善されると言われているのか?
ターンオーバーは通常約28日間かけて古い細胞と新しい細胞の入れ替え作業を行います。しかし、ピーリングにより、角質を強制的にはがすと肌は角質を急いで再生しようと働きだします。これは人間の優れた治癒能力の一種で肌に軽い怪我などをした際などは28日もかけずに数日で修復されますよね。それと同じで、角質も短期間で再生されます。
よって、ピーリングにより古い細胞と新しい細胞が短期間で入れ替えが行われるので、ターンオーバーが改善されるといわれています。
しかし、これはターンオーバーが改善されたのではなくターンオーバーが早まった結果で、ターンオーバーが早まって作られた細胞は保湿能力が乏しい未熟な細胞になっています。人間の赤ちゃんで言うと、早産で生まれてきた未熟児のイメージです。
古い細胞と新しく生まれてきた細胞を短期間で入れ替える代償として、表皮細胞は未熟な細胞となっているのです。
一見、表皮細胞は綺麗な細胞に見えますが、保湿能力のない未熟な細胞で構成されているため肌は乾燥しやすく、ニキビができやすい肌になっています。よって、もしピーリングをどうしても行うのであれば、行った後のケアが非常に重要になります。乾燥してニキビができやすい状態になっているので、正しいケアを継続して行わなければニキビが悪化することになります。
そして、どこかのタイミングで本来のターンオーバーの間隔に戻し、未熟な細胞から本来の成熟した細胞に戻さなければなりません。このようにピーリングを行う場合はある程度の知識が求められます。皮膚科などの専門医の元で行うケミカルピーリングならまだしも、個人でのピーリングはリスクが高いため行うべきではありません。
硬く古い角質が取れ、肌が柔らかくなる
肌表面の硬い角質が取り除かれ、奥から柔らかい細胞がでてくるので柔らかく見えるのは事実です。しかし、これは一時にしか過ぎず、上でも書いた通り角質を強制的に剥がすことで保湿能力のない未熟な細胞がどんどん生まれてきます。保湿能力のない細胞はすぐに乾燥し硬くなります。結果、新たな硬い角質がすぐに肌表面に生まれてくることになります。
あたなは、一時の柔らかい肌を求めているわけではないですよね?
古い角質が取れ、皮脂詰まりを防止できる
古い角質が剥がれ細胞が柔らかくなるので皮脂が詰まり難くなるのは事実です。しかし、これも上記で書いた通り、細胞が柔らかいのは一時的ですぐに乾燥して硬い細胞が生まれてくるため結局同じことの繰り返しになります。
メラニン色素を早く排出できる
ターンオーバーが早まるので、メラニン色素を早く排出できるという点では事実です。しかし、メラニン色素が沈殿して取れなくなったシミまでもが取れるというわけではありません。それなのにむやみにターンオーバーを早めて未熟な細胞を生まれさせるのはナンセンスです。
ピーリングは、一時的に肌を良い状態にする反面、表皮細胞の未熟化を促進していることを理解して下さい。