口周りにニキビができる原因として、ホルモンバランスの乱れが原因の一つとしてよく言われるが本当にそうなのか?
結論から言うと世間でよく言われている通り、原因の一つです。しかし、測定でもしない限り個人レベルで『今、口周りにできているニキビはホルモンバランスが乱れているからだ』と気付く人はそうはいないはずですよね。
そこで重要になってくるのが、次の2点です。
ホルモンバランスの乱れからニキビができるメカニズムと、ホルモンバランスが乱れる原因を知っていれば、あとはその原因となる行動をできる限り抑制すればいいのです。
ホルモンバランスが乱れるとなぜ、ニキビができるのか?
ホルモンには、様々な種類と役割が存在します。なかでも、ニキビに大きく影響があるホルモンが次の3種類です。
- 成長ホルモン
- 男性ホルモン
- 女性ホルモン
成長ホルモン
12歳~18歳ころの思春期時期に多く分泌され、身長や骨格、筋肉を作る働きをします。また、皮脂の分泌量を増やす働きをするため、成長ホルモンがの分泌量が多くなると皮脂の分泌量も増えることになります。年齢と共にホルモンの分泌量は減っていきます。
思春期の頃によくできるニキビは、この成長ホルモンが過剰に分泌されていることが原因だと言われています。
男性ホルモン
男性ホルモンは、思春期時期に多く分泌されその後は、安定的に分泌されます。男性ホルモンの役割は、男を形づけるホルモンで男らしい骨格や筋肉、毛深い毛などを生成する他、精子の生産などにも大きくかかわっています。また、成長ホルモンと同様に皮脂の分泌量を増やす働きがあるため、分泌量が多くなる思春期時期にニキビができやすくなるのは、この男性ホルモンと成長ホルモンの両方の分泌量が増えるためでもあります。
男性ホルモンは、男性だけに限らず分泌量は少ないものの女性にも分泌はされます。
女性ホルモン
女性ホルモンは、女性らしい身体を作る働きがあるとともに皮脂の分泌量を抑えたり、肌の水分量を保持するなどニキビを治すにはありがたいホルモンになります。
3つのホルモンバランスが崩れるとニキビができやすくなる
思春期の頃は、成長ホルモンと男性ホルモンの両方が活発に働くため、肌を綺麗にする女性ホルモンの働きを上回ってしまいどうしてもニキビができやすくなってしまいます。
しかし、思春期が過ぎると成長ホルモンと男性ホルモンの分泌量が減ってくるため、女性ホルモンとのバランスがとれ綺麗な肌が保たれます。
思春期が過ぎたのにニキビが治らない、口周りなどのフェイスラインにニキビが多くできるという方は、何らかの理由でこの3つのホルモンバランスが崩れている可能性があります。
ホルモンバランスが崩れる原因とは?
では、なぜホルモンバランスが崩れるのか?
ホルモンバランスが崩れる原因としては、次のようなものがあります。
睡眠不足
ホルモンは全般的に睡眠中に多く分泌され、特にノンレム睡眠と言われる深い眠りの間に多く分泌されます。よって、睡眠が不足するとホルモンが分泌される時間にも影響がでてきます。皮脂を分泌する男性ホルモンや成長ホルモンの分泌量も減るので逆にいいのでは? と思う方もいるかもしれませんが、肝心な女性ホルモンも減ってしまいます。
更に睡眠不足は、女性ホルモンの分泌を促す視床下部や下垂体も正常に働かなくなってしまいます。
大切なのは3つのホルモンをバランスよく分泌させることです。
食生活の乱れ
極度のダイエットや偏った食事をとると、ホルモン分泌に必要な栄養素が不足したり、自律神経に支障をきたすことでホルモンの分泌量に影響がでてきます。
ホルモンバランスを整える食事として、次のようなものが良いと言われています。
- 大豆食品全般(大豆イソフラボン)
- マグロ、カツオ、レバー(ビタミンB6)
- アーモンドなどのナッツ類(ビタミンE)
- アボカド(ビタミンE、ビタミンB、マグネシウム、カリウム、食物繊維、葉酸)
- ココナッツオイル(ラウリン酸)
- 卵黄(ビタミン各種、鉄、カルシウム、カリウム、リン、コリン)
これらを食事に積極的に取り入れるようにしましょう。ただし、何でも極端は逆効果でバランスが大切です。これだけを摂ればいいのではなく他の栄養素もしっかり摂取するようにしましょう。
ストレス
自律神経というのは、皆さんも聞いたことがあると思います。自律神経には、心臓を動かしたり汗をかいたり活動するための交感神経と、身体を休めリラックスさせる副交感神経の2種類があり、これらは自分ではコントロールできない部分を自動的に制御してくれる重要な神経機能です。
ストレスを受けていない時は、身体をリラックスさせようとする副交感神経が活発に働くのですが、ストレスを受けると身を守ろうと交感神経の方が活発に動くようになります。
この交感神経には、男性ホルモンを分泌させる働きもあります。男性ホルモンは皮脂を分泌させるため、過度のストレスや長時間のストレスを受け続けるとニキビができやすくなるのです。
成長過程
12歳から18歳ころまでの成長過程では、身体を成長させるために各ホルモンの分泌が活発に行われます。これにより一時的に男性ホルモンの分泌量が増えるなど、バランスに偏りがでることがあります。
しかし、これは身体を成長させる上で正常な働きなので、ホルモン治療などで強引に抑制することはあまりおすすめできません。
生理前
女性ホルモンは、皮脂の分泌量を抑え肌を綺麗に保ってくれるホルモンなのですが、実は、皮脂を分泌する働きも持っています。女性ホルモンには、「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」の2種類があり、整理の前後でこの2種類のホルモンの分泌量に大きな差があります。
そして、肌に悪さをするのが「黄体ホルモン」の方なのです。
黄体ホルモンは、排卵後から生理前にかけて急激に増加します。生理前に皮脂の分泌が増え肌表面がオイリーでべたつきやすくなるというのはこのためです。
更に、黄体ホルモンは肌をバリアし、ニキビの原因でもあるアクネ菌の退治も行う「抗菌ペプチド」を減らしてしまいます。その結果、肌は外部の刺激でやられやすくなるだけではなく、アクネ菌の増殖をも許してしまいます。